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「代理権が消えて、相手方を守るならどっちも同じではないのか?」でズレた代理行為の問題【行政書士】

令和7年 第28問 行政書士

代理人の行う代理行為に関する問題です。

私は、(ウ)と(エ)の組合せを選びました。

ただ、正解は(イ)と(ウ)でした。

(ウ)については、

任意代理なら、本人と代理人との契約で代理権の内容を決められるため、

本人が死亡した後も代理権が続くことがあるのではないかと考えました。

ここは正しい方向でした。

一方、(エ)については、

代理権が消滅した後に、

元代理人がその範囲内で代理行為をした場合が問題になっていました。

私は最初、

代理権が消えた後の代理行為は、本来は無効になりそう

と考えました。

ただ、相手方から見ると、

代理権が消えていたことを知らない場合もあります。

しかも、知らなかったことについて過失がないなら、

相手方を保護する必要があるのではないか。

そう考えて、(エ)を正しいと判断しました。

しかし、ここがズレていました。

どこでズレたか

今回のズレは、

代理権消滅後の相手方保護を、法定代理にまで広げてしまったこと

です。

代理権が消滅した後でも、

元代理人が以前の代理権の範囲内で代理行為をすることがあります。

その場合、相手方が代理権の消滅を知らず、

知らなかったことについて過失もないなら、

相手方を保護する制度があります。

ただし、そこで大事なのは、

本人がその代理権の外観を作ったのか?

です。

任意代理では、本人が代理人に代理権を与えています。

そのため、代理権があったように見える外観は、

もともと本人の授権によって作られています。

その代理権が消滅したことを相手方が知らなかった場合には、

本人側に一定の責任を負わせてもよいと考えられます。

一方、法定代理は違います。

法定代理は、本人の意思で代理権を与えたものではありません。

法律の規定や家庭裁判所の審判などによって、

代理権が認められるものです。

そのため、任意代理と同じように、

「本人が代理権の外観を作ったのだから、本人が責任を負う」

とは言いにくいです。

(エ)は、

任意代理人であったか、法定代理人であったかを問わず、

本人が善意・無過失の第三者に責任を負う

という内容でした。

この「問わず」が広すぎました。

私は、

代理権が消えている

でも相手方が善意・無過失なら保護されそう

というところまでは見ていました。

しかし、

その保護が任意代理と法定代理の両方に当然広がるのかまでは見ていませんでした。

(イ)では、

法定代理人が復代理人を選任する場合が問題になっていました。

任意代理人は、本人の許諾がある場合や、やむを得ない事由がある場合でなければ、

復代理人を選任できません。

一方、

法定代理人は、任意代理人と異なり、

復代理人を選任することができます。

ただし、復代理人を選任した以上、

本人に対して責任を負います。

もっとも、やむを得ない事由がある場合には、

選任と監督についての責任に限られます。

ここも、

法定代理と任意代理の違いが出ているところです。

戻り先

迷ったら、

「相手方保護は、本人が作った代理権の外観に基づくものか?」

に戻ります。

※戻り先は、ご自身が印象に残った言葉に置き換えても使えます。

制度確認

代理権は、本人の死亡などによって消滅します。

ただし、任意代理については、

本人と代理人の間で、本人死亡後も代理権を存続させる合意がある場合、

死亡後も代理権が続くことがあります。

また、代理権が消滅した後でも、

元代理人が以前の代理権の範囲内で代理行為をし、

相手方が代理権の消滅について善意・無過失である場合には、

本人が代理権の消滅を対抗できないことがあります。

しかし、この代理権消滅後の相手方保護は、

本人が代理権を与えたことによって外観を作った場面を前提に考えます。

そのため、本人が代理権を与えたわけではない法定代理にまで、

当然に同じように広げることはできません。