令和7年 第16問 行政書士
処分差止めの訴えに関する問題です。
私は、イとエを選んで正解しました。
処分差止めの訴えについては、
処分がされる前に、その処分をしてはならないと求める訴えだという大枠はありました。
そのため、イを見たとき、
処分がされる前に、
すでに被害が甚大で、あとから回復することが難しいなら、
事前に止める制度が必要ではないか
と考えました。
また、エについては、
同じ案件でも、
人によって取消しになる・ならないがありそうだと思いました。
その感覚から、
エは妥当ではない方向だと判断しました。
結果として正解はできました。
ただし、後から見ると、
処分差止めの訴え、仮の差止め、義務付けの訴え、取消訴訟の効力が
少しずつ混ざりかけていました。
どこが混ざったか
イについてです。
処分差止めの訴えは、
行政庁が一定の処分や裁決をしてはならないと求める本案の訴えです。
一方、
償うことのできない損害を避けるため緊急の必要がある
という表現は、
本案の処分差止めの訴えそのものというより、
仮の差止め側で問題になる要件です。
私は、
処分される前に止める必要がある
という大きな方向では合っていました。
ただし、
本案として処分を差し止める訴えなのか、
本案の判断が出る前に仮に止める手続なのか、
そこを分ける必要がありました。
ウでは、処分差止めの訴えを、
義務付けの訴えのように申請型・非申請型で分けるような見方が出ていました。
しかし、差止めの訴えは、
行政庁に「処分をしてはならない」と求める訴えです。
義務付けの訴えのように、
申請に対する処分を求める場合と、
非申請型で一定の処分を求める場合に分けて整理するものではありません。
ここでも、
処分を「させる」訴えと、
処分を「させない」訴えが混ざりかけていました。
エで見るべきだったこと
エでは、
「同じ案件でも、人によって取消しになる・ならないがありそう」
と考えました。
ただ、本当に見るべきだったのは、
取消訴訟の効力に関する規定を、そのまま処分差止めの訴えへ持ち込んでいないか
という点です。
取消判決の第三者効は、
処分差止めの訴えには準用されません。
私は、
「取消訴訟のルールだから差止めにも及びそう」
と混ぜかけていました。
戻り先
迷ったら、
「これは本案の処分差止めの訴えの話か、それとも仮の差止めの話か?」
に戻ります。
※戻り先は、ご自身が印象に残った言葉に置き換えても使えます。
制度確認
処分差止めの訴えは、
行政庁が一定の処分または裁決をしてはならないと求める訴えです。
処分がされてから取り消すのではなく、
処分がされる前に、その処分を止めるための訴えです。
ただし、本案の差止めの訴えと、
本案判決までの間に暫定的に処分を止める仮の差止めは別です。
仮の差止めでは、
償うことのできない損害を避けるため緊急の必要があることなどが問題になります。
また、義務付けの訴えは、
行政庁に一定の処分をするよう求める訴えです。
差止めの訴えは、
行政庁に一定の処分をしないよう求める訴えです。
処分をさせるのか、
処分をさせないのかで、入口が違います。
さらに、取消判決の第三者効に関する規定は、
処分差止めの訴えには準用されていません。