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「受け取らなかった後の火災まで、売主の責任になるのか?」で止まれた売買の問題【行政書士】

令和5年 第32問目 行政書士

売買契約における受領拒絶と、目的物の滅失に関する問題です。

選択肢2を見たとき、

買主Bが代金の支払いを明確に拒んでいたとしても、

売主Aは一度催告をしなければ解除できないと書かれていました。

最初は、

相手が支払わないと言っていても、

形式的に催告をしておかなければ、

後から拒絶の事実を証明できないのではないか?

と思いました。

そのため、選択肢2も正しそうに見えました。

ただ、選択肢4を読むと、

Aは弁済期に美術品を持参しています。

Bが受け取らなかったのは、

美術品を管理する準備が整っていなかったからです。

その後、Aが美術品を持ち帰ったところ、

隣人の過失による火災で美術品が滅失しています。

ここで、

Aは渡そうとしていたのに、Bの準備不足で受け取れなかった。

その後の火災までAの負担にするのはおかしいのではないか?

と思いました。

火災はAの過失によるものでもありません。

それなら、Bは美術品がなくなったことを理由に、

代金の支払いまで拒むことはできないのではないか。

そう考えて、選択肢4を正しいと判断しました。

なぜ止まれたか

今回止まれたのは、

目的物が滅失したことだけでなく、その前に誰が受領できない状態を作ったのか

を考えたからです。

売買の目的物が引き渡される前に滅失すると、

買主が代金を支払う必要があるのかが問題になります。

ただ、単に引渡し前だったというだけでは決まりません。

今回、売主Aは弁済期に美術品を持参し、

引き渡すための行動をしています。

それにもかかわらず、

買主Bが自分の準備不足を理由に受け取りませんでした。

その後、AとBのどちらにも責任のない事情で、

美術品が滅失しています。

この場合に、

目的物がなくなった負担をすべてAに残すと、

一度きちんと引き渡そうとしたAに不利です。

Bが売主からの引渡しを受けていれば、

その時点で目的物の滅失に関する危険はB側へ移っていました。

それにもかかわらず、

B側の事情で受領しなかった後の偶然の滅失まで、

Aに負担させるのは酷です。

戻り先

迷ったら、

「売主はすでに渡そうとしており、買主側の事情で受け取れなかったのではないか?」

に戻ります。

※戻り先は、ご自身が印象に残った言葉に置き換えても使えます。

制度確認

売主が契約に従って目的物を引き渡そうとしたにもかかわらず、

買主が受領を拒んだり、受領できなかったりすることがあります。

その後、売主と買主のどちらにも責任のない事情によって、

目的物が滅失または損傷した場合、

買主はその滅失などを理由に売主へ責任を追及することができません。

また、買主は代金の支払いを拒むこともできません。

一方、選択肢2のように、

買主が代金の支払いを明確に拒絶している場合は、

売主が解除するために必ず催告をしなければならないわけではありません。