令和6年 第2問 行政書士
訴訟手続の原則に関する問題です。
選択肢1では、
民事訴訟の裁判長が、訴訟関係を明確にするため、
当事者へ事実上・法律上の事項について質問したり、
立証を促したりできるとされていました。
ここで少し迷いました。
刑事訴訟であれば、
裁判所が事件の内容を確認するために質問する場面はありそうです。
ただ、民事訴訟は当事者同士が主張や証拠を出し合い、
裁判所はそれを見て判断する手続という印象がありました。
それなら、
裁判長が当事者へ質問したり、立証を促したりするところまで踏み込むのだろうかと思いました。
選択肢3では、
非訟事件の手続は、例外を除いて公開しなければならないとされていました。
非訟という言葉から、
通常の訴訟とは反対の手続なら、公開しないのではないか?
と考えました。
そのため、
選択肢3を妥当でないものとして選び、正解しました。
どこで迷ったか
選択肢1で迷ったのは、
当事者が主張・立証する手続なら、裁判所は受け身でなければならない
と考えたからです。
民事訴訟では、当事者が自分に有利な事実を主張し、その裏付けとなる証拠を提出します。
しかし、
それは裁判長が何も質問できないという意味ではありません。
当事者の主張が曖昧なままでは、何が争われているのか分からず、適切な判断ができません。
そこで裁判長は、
争点や当事者の主張を明確にするため、質問をしたり、必要な立証を促したりできます。
私は、
「当事者が材料を出すこと」
と、
「裁判所がその材料を整理すること」
を一つにして考えていました。
当事者が主張・立証する原則と、裁判長が争点を整理する働きは両立します。
選択肢3は、
「非訟は普通の訴訟の反対だから、非公開ではないか」
と考えました。
結論は合っていましたが、非訟という言葉だけから理由を補った面があります。
正確には、非訟事件の手続について、法律が非公開を原則として定めています。
そのため、
選択肢3を選べました。
しかし、理由の再現性は、選択肢1で出た迷いほど強くありませんでした。
戻り先
迷ったら、
「当事者が主張する手続でも、裁判所は争点を明確にする働きまで失うのか?」
に戻ります。
※戻り先は、ご自身が印象に残った言葉に置き換えても使えます。
制度確認
民事訴訟では、当事者が主張と立証を行います。
ただし、
裁判長は、訴訟関係を明確にするため、
口頭弁論の期日または期日外に、事実上・法律上の事項について当事者へ質問したり、
立証を促したりできます。
これを釈明権といいます。
釈明権は、裁判長が当事者に代わって主張や証拠を作る制度ではありません。
当事者の主張を整理し、何が争点なのかを明らかにするための働きです。
一方、非訟事件の手続は非公開が原則です。
裁判所が相当と認める者に傍聴を許す場合はありますが、
通常の訴訟のように公開を原則とするわけではありません。