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「相殺の援用を連帯債務者間の精算」と読んでズレた連帯債務の問題【行政書士】

令和5年 第30問目 行政書士

連帯債務者の一人について生じた事由が、
他の連帯債務者にも影響するかを問う問題です。

(オ)を見たとき、

債権者が連帯債務者の一人だけ債務を免除しても、

他の連帯債務者まで当然に免除されるわけではないだろう

と思いました。

二人の連帯債務者がいたとして、

一人との関係だけを免除したからといって、

もう一人まで債務を負わなくなるのは不自然に見えました。

そのため、

(オ)は他の連帯債務者に効力が生じないと判断しました。

一方で、

(ウ)の「相殺の援用」は、

言葉の意味をうまく取れませんでした。

連帯債務者の一人が相殺した後、

残りの連帯債務者が、その人に負担分を返すような話なのか?

そうであれば、

他の連帯債務者へ直接影響するものではないように見えました。

「相殺の援用」が何を意味するのかを固定できないまま、

連帯債務者間の精算を補って読んでいました。

その結果、(ウ)と(オ)を選びました。

ただ、正解は(エ)と(オ)でした。

どこでズレたか

今回のズレは、

相殺によって債権者の債権が消える話と、
その後の連帯債務者どうしの精算を混ぜたこと

です。

「相殺の援用」とは、

連帯債務者の一人が債権者に対して持っている反対債権を使い、

相殺するという意思を示すことです。

相殺がされると、

債権者の債権そのものが、相殺された範囲で消滅します。

たとえば、

債権者Aが連帯債務者B・Cに対して債権を持ち、

BもAに対して債権を持っているとします。

Bが相殺を援用すると、

Aの債権そのものが相殺された範囲で消滅します。

債権者の債権が消える以上、

その効果はBだけでなく、Cの利益にもなります。

その後に、BとCの間で誰がどれだけ負担するかは、

連帯債務者どうしの内部関係として別に調整される話です。

私は、この内部の精算を先に想像してしまい、

債権者に対する債務が消えることを見落としていました。

戻り先

迷ったら、

「相殺の援用によって、債権者の債権そのものは消えたか?」

に戻ります。

※戻り先は、ご自身が印象に残った言葉に置き換えても使えます。

制度確認

連帯債務者の一人が債権者に対して債権を持ち、

その連帯債務者が相殺を援用した場合、

債権者の債権は、すべての連帯債務者の利益のために消滅します。

そのため、相殺の援用は、

相殺した本人だけに効力が生じるものではありません。

一方で、債権者が連帯債務者の一人に履行を請求したことや、

一人の債務だけを免除したことは、

原則として他の連帯債務者には影響しません。