令和5年 第28問 行政書士
取得時効と登記に関する問題です。
選択肢2を見たとき、
Dが背信的悪意者であったとしても、
Bは登記がなければ時効取得を対抗できない、
という内容でした。
たしかに、不動産の権利を主張する場面では、
登記が重要になります。
ただ、Dが背信的悪意者であるなら、
話は変わるのではないかと思いました。
Bが時効取得していることを知りながら、
それを妨げるような形で登記を取った相手にまで、
「登記がないから対抗できない」
とするのは強すぎるように見えました。
背信的悪意者のような相手まで、
通常の第三者として保護する必要はないのではないか。
そう考えて、選択肢2は妥当でないと判断しました。
なぜ止まれたか
今回止まれたのは、
登記がないかどうかだけでなく、相手を保護する必要があるか
を考えたからです。
不動産の物権変動では、
登記がなければ第三者に対抗できないという場面があります。
そのため、
時効取得した側も、時効完成後に現れた第三者に対しては、
登記が必要になるのが基本です。
ただし、相手が背信的悪意者である場合まで、
同じように保護する必要があるとは限りません。
背信的悪意者とは、
単に時効取得の事情を知っているだけの人ではありません。
その事情を知りながら、
登記がないことにつけ込無用な目的や経緯で権利を取得し、
時効取得者の権利主張を妨げようとするような相手です。
そのような相手にまで、
「登記がないから負ける」
とするのは強すぎるのではないか。
ここで止まれたことが、正解につながりました。
戻り先
迷ったら、
「相手はただの第三者か、保護する必要のない背信的悪意者か?」
に戻ります。
※戻り先は、ご自身が印象に残った言葉に置き換えても使えます。
制度確認
不動産の物権変動は、
登記をしなければ第三者に対抗できないのが原則です。
取得時効の場合も、
時効完成後に第三者が現れたときは、
その第三者との関係で登記が問題になります。
つまり、
時効取得したからといって、
常に登記なしで誰にでも対抗できるわけではありません。
ただし、相手が背信的悪意者である場合は別です。
背信的悪意者は、
登記がないことを主張する正当な利益を持つ第三者とはいえません。
そのため、時効取得者は、
背信的悪意者に対しては、
登記がなくても所有権取得を対抗できます。