法規は暗記科目と思われがちですが、
この問題は「数字を覚えなくても」判断できます。
実際に私がこの問題を見たとき、
・最初に何を感じたか
・どこを見て違和感を持ったか
・どうやって選択肢を削ったか
を、そのまま順番に整理していきます。
この記事は、工事担任者デジタル1級 令和5年第2回法規5(2)を参考に作成しています。
この記事は、工事担任者デジタル1級 法規の過去問を参考にして作成しています。
問題はオリジナルですが、実際の試験問題と同じ考え方で解けるように構成しています。
問題
問題文
有線電気設備に関する。
「架空電線の支持物」、「架空電線の他人の設備との関係」について以下の文章は、
a、電柱にある取扱者が使用する足場金具などは地上2.5メートル以下に設置してはならいない。
b、他人の設置した架空電線との距離を30センチ以下にしてはならない。ただし、他人の承諾を得る。他人の設置した架空電線に損害を与えず、作業に影響を与えない場合は、その限りではない。
選択肢
①aのみ正しい
②bのみ正しい
③どちらも正しい
④どちらも正しくない
この問題でなにをするのか
この問題は、
人が関わる設備に対して、
数値が「小さすぎないか」「大きすぎないか」を判断する問題です。
最初に思ったこと
私が最初に思ったことは、
・Aは人の背の高さに関係しそう
・Bは電線が当たらない安全な距離かな?
以上の2点でした。
選択肢を削る
A
足場ボルトがなんのためにあるのか?
作業者が電柱の設備点検をするため
人が登れる高さならいいのでは?
それなら足元でもいいの?
歩行者が当たると怪我をするので、低すぎてもダメ
歩行者が当たらないで、作業者も登れる高さがいい
選択肢は2.5メートルで、歩行者は当たらない
作業者は登れなそう、登れても大変そう
2.5メートルは作業者目線で考えると高さがありすぎる気がする。
選択肢Aは違うと思う
B
電線と電線の間の隙間はなんで必要なのか?
電線同士が当たると絡まったりして危ない
作業者が電線と電線の間に入り作業をするから
電線が当たることがあるのはどんな場合?
①風が吹いて電線が揺れる
②電柱が倒れて電線が動く
①と②の妥当性について考えてみる
①風が吹くと言うことは日常ではあり得ること
②倒壊まで考慮すると、
現実的な数値設定ができなくなるため、
日常的に起こり得る風による揺れを基準に考える
風が吹いても30センチあれば当たらなそう、幅が広すぎでもない
選択肢Bは合っていると思う
正解
正解は、
②のBのみです。
※参考にした試験問題と同じ選択肢を正解にしています。
まとめ
日常の状況に問題を落とし込み、
その前提で選択肢を一つずつ削って行くと、
見たことがない問題でも答えに近づけることがあります。
今回の問題では、
選択肢Aは
(電柱にある足場ボルトは、何のために設置されているのか)
を考えることで妥当性を判断しました。
また、選択肢Bは
(電線が当たる可能性を、日常的な状況として考えるか、
それとも非日常まで含めて考えるか)
という視点で整理できます。
このように前提を一つずつ整理していくと、
数字を覚えていなくても、正解に近づくことができます。