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「自治体に誘致されて動いた後に、方針変更してよいのか?」で止まれた信頼保護の問題【行政書士】

令和6年 第10問 行政書士

行政法における信義則と、信頼保護に関する問題です。

この問題は、全体として信義則で判断しました。

その中でも選択肢4では、

地方公共団体が一定の施策を続けることを前提に相手へ働きかけ、

それを信じた相手が投資などを始めた後に、

自治体が施策を変更する場面が示されていました。

私はこの内容を、

自治体がテーマパーク事業者を誘致し、

それを信じて相手が準備や投資を始めた後に、

計画が頓挫したような場面

に置き換えました。

自治体の働きかけを信じて相手が動いたのに、

後から何の対応もせず、

「やはり計画を変更します」

で終わらせてよいのだろうか。

自治体側にも、できる限りの対応が必要なのではないか。

そう考えて、選択肢4は妥当だと判断しました。

なぜ止まれたか

今回止まれたのは、

相手が自分の判断だけで動いたのではなく、行政の働きかけを信じて動いた

と考えたからです。

行政の施策は、将来変更されることがあります。

社会情勢や財政状況が変われば、

以前の方針をそのまま維持できない場合もあります。

そのため、行政が一度示した方針は、

絶対に変更できないというわけではありません。

ただし、

行政が単に計画を公表しただけではなく、

特定の相手に対して積極的に勧誘や勧告を行い、

その相手が施策の継続を信頼して、

多額の投資や準備を始めた場合は話が変わります。

相手は行政の働きかけがなければ、

その行動を始めていなかった可能性があります。

一度投資を始めると、

簡単には元の状態へ戻れません。

そのような段階まで相手を動かした後に、

行政が一方的に前提を変更すれば、

行政自身が作った信頼を壊すことになります。

私は、この不自然さから止まることができました。

戻り先

迷ったら、

「行政の働きかけを信じて、相手は後戻りしにくい行動を始めていないか?」

に戻ります。

※戻り先は、ご自身が印象に残った言葉に置き換えても使えます。

制度確認

地方公共団体は、

社会情勢の変化などに応じて、

決めた施策を変更することができます。

ただし、

特定の相手に対して個別的・具体的に働きかけ、

その相手が施策の継続を信頼して、

多額の資金や労力を投入した場合は別です。

その後の施策変更によって、

社会通念上看過できない損害を与えるときは、

補償などの代償的措置を取らないまま変更すると、

信義則に反して違法となることがあります。

もっとも、

変更にやむを得ない客観的事情がある場合などは、

直ちに違法となるわけではありません。