令和5年 第17問目 行政書士
行政事件訴訟法の抗告訴訟に関する問題です。
(ア)は、
小屋の除却命令だけでなく、
その後に出された戒告や通知についても、
別に争うことができそうだと思いました。
強制的な手続が進んでいる以上、
所有者にも反対の声を上げる機会があるはずだと考え、
残しました。
(イ)は迷いました。
もとの除却命令は、
河川管理上の支障をなくすための処分として、
それ自体には別の理由がありそうに見えました。
一方で、
戒告や通知は、
代執行に進むために所有者へ向けられた手続です。
そのため、
後の戒告等を争う場面で、
もとの除却命令の違法性まで当然に主張できるのかは、
少し別の話ではないかと感じました。
(エ)も正しそうに見えました。
代執行が終わって小屋がすでになくなっているなら、
その後に戒告や通知を取り消しても、
元の状態には戻りません。
取り消すことで守れる利益が残っていないなら、
訴訟を続ける意味もなくなるのではないか。
そう思い、(ア)と(エ)を選びました。
なぜ止まれたか
今回止まれたのは、
処分を取り消した後に、回復できる利益が残っているか
を考えたからです。
取消訴訟は、
処分を取り消すことで、原告の権利や利益を回復するための訴訟です。
しかし、代執行が完了して小屋がすでに除却されている場合、
戒告や通知を取り消しても、小屋が元に戻るわけではありません。
そのため、戒告等を取り消すことで回復できる利益は、
すでに失われているように見えました。
この感覚が、訴えの利益の考え方と合っていました。
戻り先
迷ったら、
「取り消した後に、回復できる利益は残っているか?」
に戻ります。
※戻り先は、ご自身が印象に残った言葉に置き換えても使えます。
制度確認
行政代執行に先立つ戒告や通知には処分性が認められるため、
それぞれ取消訴訟の対象になります。
ただし、代執行が完了した後は、
戒告や通知の効果もすでに消滅しています。
そのため、取消しによって回復できる利益が残っておらず、
訴えの利益を欠くとして却下されます。
また、もとの除却命令と、
その後に行われる戒告や通知は別の処分です。
後の処分を争う取消訴訟で、
もとの処分の違法性まで当然に主張できるわけではありません。